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――ピンポーン
「はぁい?合言葉をどうぞ」
メールをくれた友人のもとへとチャリを走らせた。
久々の外で、なんだか緊張した気がする。
外に出るとしても、真夜中ぐらいで全く人気がないぐらいだからだ。
昼間の外は人が普通にいた。
なんだか一目が一段と気になってしかたない。
俺は急いでチャリを走らせた。
「おいおい、せっかく来たオトモダチを追い払う気か?」
冗談だよ!と、へら笑いのやつがドアを開けた。
「久しぶり、龍之!」
―龍之…、久しぶりに自分の名前を呼ばれた気がした。
家で、部屋に引きこもってるせいかもしれない。
「あ、あぁ。久しぶりだな、鳥野」
鳥野。俺の一番といってもいいほど仲がよかったやつだ。
でも、俺が引きこもり始めて鳥野は少し周りから離されたみたいだった。
お前のせいで、龍之がこなくなったんじゃねぇのか?
お前が龍之に命令したんだろ?親友のお前がさ。
正直、ウザかったんだろ?
あぁ?どうなんですかぁ?
俺が学校から消えて、威張り出す弱者たちが鳥野をからかい始めた。
そのとき、鳥野は顔色ひとつ変えずにいつも言っていた。
―お前等みたいな雑魚に用はねぇってよ?散れよ。
俺が夜中うろついていたとき、またまた鳥野にあったことがあった。
いろんなとこ痣だらけで、出血してたり。
けど、お前は必ずこう言った。
『少し、許せない奴らがいて…。俺は…大丈夫だから』
もう、そんなことは言わせたくない。
だから、学校に行くようにしてたけど…"あの日"がきてからはまた、学校を行かなくなってしまっていた。
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