始まりと出会い

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「荷物多いからまずは七瀬さんの部屋から案内するね」 「はい、すみません。重いの持たせてしまって……」 「いーのいーの。こういうのは男に任せておかないと!あと、タメ口でいいからね」 橘君は私に軽くウインクをしつつ、にっこりと笑いかけてくれた。 さ、様になってるなぁ…… こんなウインクの似合う人初めて見た気がする。 「ここ、2階のいちばん奥の部屋が七瀬さんの部屋だよ。家具なんかは全部揃ってるから」 橘君はそう言うと、部屋の扉の横に私の荷物を置いた。 「ありがとう」 「じゃあ、なんかあったら呼んでね。俺の部屋は斜め前だから」 そう言い残して橘君は自分の部屋へと入っていった。 「よし!とりあえず出来るとこまでは荷物の整理をしてしまおう」 私は大きな独り言を言うとガッツポーズをして袖を捲り、気合いを入れた。 .
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