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「今日から私、ここに住むのかぁー……」
やっぱ格安な割には外見良すぎじゃないかなぁ……
なんて思いつつ重たい荷物を半ば引きずりながら玄関までの階段を上る。
「うぅ、重い……。やっぱ引っ越しセンターとかに頼むべきだったか……」
そんな大きな独り言をぶつぶつ言いながら上っていると─────
「あのー。手伝いましょうか?」
「え?……あッ」
私が返事をする前に、ゆうに10キロはあろうかという荷物がヒョイと担がれた。
「今日引っ越して来る予定の子でしょ?」
「あ、はい! 七瀬 遥って言います」
「俺は橘 涙だよ。よろしくね」
にっこりと微笑んだ顔はまるで天使のようにキラキラしているかのよに見えた。
それほど綺麗な顔立ちだったのだ。
私、こんな美男子と一緒に住めるなんて超幸せ者かも。
なんて、この時まではすごく浮かれた気分でいた。
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