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「咲斗さん。し……じゃなくて、舞華は?」
笑いも少し治まってきた頃、橘君が私の知らない名前を口にした。
たしか『マイカ』さんって……
ってことはもしかして女の人もいるってこと!?
それはすごく心強いかも。
「いつも通りギリギリに来るんでしょう。」
「あいついっつもギリギリだよな!面倒なことは全部避けて通るんだからいいご身分だよな!!」
なんだかみんなの評判は悪い……のかな?
でも、このテーブルに並んだ夕食の数からしてきっと『マイカ』さんは唯一の女性のハズ……
風当たり悪すぎないかな?
もしかして、すごい我儘女王様的キャラとかだったりするのかな?
でも、このまま行くともしかしたらその『マイカ』さんって人も超美人とかなんじゃ…
…
「もう飯できたか?」
階段からゆっくり下りてくるその人は、まるで日本人形のような長くて黒い髪。
大きい目に高い鼻。
モデルのような長くて細い脚。
やっぱり美人だった……
「あ、そういえば今日だったか。新しい住人が来るって日は……」
「そうだよー!みんな集まり悪いんだからー……」
橘君はブーブー文句を言いながらダイニングテーブルの一席に腰掛けた。
「初めまして、櫻 舞華だ。」
「七瀬…遥です…」
あまりの美男美女揃いに目を丸くする私……
もしかして、もしかしなくても
この家で私、1番浮いてないか!!?
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