第二話 紅魔館のお仕事

3/4
前へ
/54ページ
次へ
「ご苦労様、パチェ、小悪魔は?」 咲夜の食事が運ばれてきた。 霊夢はなかなか家事が得意らしい。 「つまみ食いは感心しないわね」 「味見しただけだぜ」 魔理沙は相変わらずのようで、パチュリーの機嫌を損ねるのを後押ししていた。 「パチュリー様、お呼びですか?」 「こあ、ドアを開けるときはノックするのが礼儀と何度もいってるでしょう?」 いきなり入ってきた小悪魔にパチュリーは溜め息混じりに注意する。 うんざりした様子を見ると、いつもの事のようだ。 「それは置いといて。確かに小悪魔が持ってたのよね、咲夜のスケジュール。」 「あ、それでしたら部屋にあるので取ってきますね。」 小悪魔は急ぎ足で部屋を出た。 そして入れ違いに美鈴とフランが飛び込むように入ってきた。 「咲夜さん大丈夫ですかぁっ!?」 美鈴は物凄いスピードで咲夜に駆け寄る。 が、レミリアの拳に吹き飛ばされる形で阻止された。 「よくぬけぬけと顔を出せたわね?そもそも貴方が真面目に門番しててこいつらを止めてれば咲夜が怪我することもなかったじゃない!」 「お嬢様、中国ばかり責めるのはお止めください。いきなりとはいえあっさり負けてしまった私にも非があるのですから」 「さ、咲夜さん…」 名前を読んでくれないのをスルーできるくらい、感動する美鈴をよそに、フランは咲夜の寝ているベッドに腰掛け、咲夜に話しかけていた。 「怪我は大丈夫?咲夜」 「はい、多少痛んで動けないだけですわ。」 そういうのを大丈夫じゃないという。 「じゃあしばらく咲夜と遊べないね…」 正しくは咲夜「で」遊ぶ、の間違いである。 「大丈夫、咲夜が治るまで霊夢と魔理沙がいるから」 「でも私達は仕事が…」 「主を退屈させないのも立派な仕事よ」 反論しようとする霊夢。しかし、咲夜にそう言われるとそれ以上言えない。 「持ってきました~。」 小悪魔が戻ってきた。またノックを忘れていると叱るパチュリー。 「で、スケジュールは?」 「これです」 手帳にはさんでいた一枚の紙を魔理沙に渡す。 「「こ…これは…!?」」 それを見て、二人は驚愕した。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加