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「断る」
「えええええ!少し考えようよ、剣人君!!」
「そうだよ、゛合コン行かない?″って願ってもない申し出だよ!?」
「願ってないから別にいい」
願っていない、というより、純粋に剣人は興味がないのだ。
いや、興味が無いと言うか、・・・苦手なのだ、女性が。
中学生の時、年上の女性に無理矢理押し倒されて以来剣人は女性が苦手になった。
ちなみにその女性は当時実兄の槍次が付き合っていた女性である。
「そう言わないで剣人君!君がいなきゃ成り立たないの!君居てこその合コンなのよ!?」
「今回のお相手は今年大学に入ったばかりの可愛らしい年下の女の子なのよ!?」
「半分以上が君目当てなのよ!?これでもまだ行かないって言うの!?」
「行かない」
剣人君のバカー!と友人達は泣き崩れた。
余りにもさめざめと泣くものだから段々可哀想になってくる。
「…食事するだけでいいなら」
「飲み放題もつけるよ!?」
「…料金支払わなくていいなら」
「当然僕ら持ちにするよ!?」
「…二次会は絶対参加しない」
「帰りは駅までタクシーだね!?」
何だかんだ言って、剣人は彼らに甘いのだ。
それを知っているからこそ友人達は剣人の利用方法を良く知っている。
泣き落としたら、勝ち!と。
「ところで剣人。…課題…」
「それは自分でやれ」
「酷いわ、私の事嫌いなのね!?」
「嫌いだったら大学まで一緒に来ない。どうしても駄目だったらその時は…」
「その時は?」
「……まぁ、頑張れよ」
「剣人の馬鹿ああああぁぁぁ」
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