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(じゃぁ、お夕飯はいらないのね?)
「うん。ごめん、母さん」
(滅多に無い機会なんだから楽しんできなさいな。…剣人が居ないんだったら、お父さんとお爺ちゃん連れて外食でもしようかしら)
「…母さん…」
(冗談。じゃ、お母さん習い事あるから)
「気を付けて。じゃ」
携帯電話を畳むと友人達が待つ飲み屋へと足を向けた。
結局友人A山田君(仮)が課題を終わらす事が出来ず、手伝いとして学校に残ったせいで既に集合時間は過ぎている。
店の前に待機していた友人達に「おっせーよ!」と野次を飛ばされるが悪いのは友人A山田君(仮)なのでその非難は山田君(仮)が全て受けたが。
「こんにちはー」
7時。
女の子達との待ち合わせの時間だ。
朗らかな可愛らしい声に振り向いてみれば、男6に対して女の子が5人しかいない。
「よろしくお願いしまーす」
「こんばんわー。あれ?人数6人って聞いてたけど…」
「一人は遅刻して来るって連絡あったんですー。先に始めちゃってって言ってました」
「そっかー。じゃ、店入ろー?」
きゃわきゃわと何やら賑やかだ。
正直こんなに女の子がいる中に居るのも剣人は久しぶり過ぎて軽い眩暈を覚える。
「剣人、何飲む?」
「ウーロンハイ」
正直早めに潰れてとっとと帰ろう、と言うのが魂胆である。
元々酒もあまり強くないのだ。
友人達もそれは承知の上で連れて来るのだから構わないだろうと剣人は思った。
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