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「おっそーい!」
「ごめんなさい、兄がなかなか許してくれなくて…」
「紹介しまーす!去年のうちの高校でミスに輝いたメイちゃんでーす!」
途端におぉー!と声が上がる。メイと呼ばれた女性は苦笑いして
「遅れてすみません。向日明(むかひあかり)です。よろしくお願いします」
「あかりちゃん?メイちゃんじゃなくて?」
「メイはあだ名なんです。あかりって、明るいって書くから。訓読みでメイちゃん」
「なるほどねー」
「ね、ね、俺もメイちゃんって呼んでいい?…あ、俺光成。矢満田光成って言うの、よろしくね?」
「よろしくお願いします、…矢満田さん?」
「みっちゃんって呼んでよ」
「馴れ馴れしいぞ光!俺、悠。織元悠。隣のこいつが正巳、それから双子の煉と爛。一番端で黙々飲んでるのが剣人」
「…剣人、さん」
明の視線が剣人に注がれた。
たっぷり10秒は注がれたその視線に、周りの友人達ははっと気付く。
「何?メイちゃんもしかして、剣人狙い?」
「やめた方が良いよ?あの剣道オタク」
「オタクっていうか、剣道馬鹿よ?心の中ではきっと竹刀と結婚するって思ってるぐらいだよ?」
「いい度胸だ、そこに直れ」
今まで好きなように友人達を放っておいたが、流石にそこまで言われては剣人も黙ってはいなかった。
「だって剣人彼女いらないんでしょ!?可愛い女の子ぐらい俺達に譲ってよ!」
「イケメンでお家はお金持ちなんだからささやかな幸せぐらいくれたっていいじゃないか!!」
そんな男達のやり取りを女の子は笑って見ている。
流石に店内なので竹刀は取り出さなかったが、明日学校で必ず全員絞めようと誓った剣人だった。
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