平凡な日常の招かれざる客

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「て、天使って・・・あんた何言ってんの・・・?だいたいどこから入ってきたのよ!?」 「上から」 「バ、バカなこと言わないでよ!!ふざけてると警察呼ぶわよ!!」 そう言って携帯を取り出す沙希。 「はあ…お前ね、俺を不審者かなんかだとでも思ってるの?」 謎の天使(?)はめんどくさそうに答える。 「だいたい、お前に気付かれずにこの部屋に入るのは不可能だろうが。ドアはお前の目の前。窓から入るにしたって、こんだけ風が強い日なら開いた瞬間に気付くだろ。それに、ここは二階だ。」 「あ、そっか。じゃあ、本当に…?」 「おう、天使だ。」 「でも、わっかとか羽がないよ?」 沙希はまだどこか不服そうだ。 「まあ、天使って言っても、まだ見習いだからな。わっかや羽はまだ先だ。おっと、自己紹介がまだだったな。」 そう言うと、天使見習いは胸ポケットから、真っ白な生徒手帳らしきものを取り出して、沙希に向かって放り投げた。 「何これ?えーっと、天界第2天使養成学校第3学年13組No.29。へえ、あんた学生だったんだ。あれ?名前が書いてない。あなた、名前はなんて言うの?」 「あー、そっか。そういや、それ決めないとな。」 そう言うと、天使は本棚から適当に小説を取り出してパラパラとめくり始めた。 「よし、こいつでいいか。俺の名前はヒカル!!よろしくな!!」 ヒカルが小説を本棚に戻して名乗った。 その小説の主人公の名前も『ヒカル』だった。 「え?どういう・・・」 「ああ、俺達天使見習いは名前が無いんだ。みんな番号で呼ばれてる。俺の場合は231329。だけど、それじゃあ呼びにくいだろ?だから今決めた。異論は認めねえ。」 「そう。わかったわ。よろしくね、ヒカル。あ、私もまだ自己紹介してなかったね。私は…」 沙希が自己紹介をしようとしたが、ヒカルがそれを制止した。
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