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「……ナ、ナンダッテ~~!?」 「ふふふ、面白い話よね。それであなたがよくたん瘤だけですんだよね~って思ってるのよ。特に症状も診られないし」 「笑い事じゃないですよっ!! 結構痛いんですから!!」 先生の艶やかな声を余所に、俺ってすげぇ。神の加護を得ているに違いない、とかガチで思った。 先生曰く、俺の後頭部に直撃したのは本棚。ここの図書館は古い。上瀧さんは俺の後ろにあった本棚から取ろうとして、何故か本体ごと落下してきた……らしい。 本棚だぞ、本棚。丸ごとだ。それが後頭部直撃。障害がなくて本当に良かった。 「まあもし心配なら、ちゃんとした病院に行く事を勧めるわ。私が診た限りではなかったけどね」 しかし上瀧さん、どれだけ強く引っ張ったら倒れてくるのだろう……? まさか確信犯じゃないとは思うが、中々のドジっ娘さんなのかも知れない。本棚落下をドジで済まされた日にゃ堪らんが。
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