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炎天下、とは正にこの事を指すのだろう。
太陽からの容赦ない熱線。アスファルトがそれを照り返し、陽炎によって視界が霞んでいる。
止まらない汗。次々に地面へと滴り落ち、気持ち良いぐらい一気に蒸発する。そして辺りを見渡せば、果たして外出している人は少ない。
今日はいつもに増して、とてつもなく暑かった。
それなのに何故、登校せにゃならんのか。答えは単純明快、補習があるから。
ぶっちゃけ休みたい。と言うか休ませろ。クーラーの効いた家でゴロゴロしていたい。
……まあ、こういう事をしてるから益々暑さは増すのだけれど。確か普段クーラーに当たってる奴ほど、熱中症になりやすいんだったかな。
とまあ暑さを紛れさせる為にこんな下らない思いに耽っていると、我が高校――愛崎学園が見えてきた。
学校が好きな人は恐らくいない。勉強に追われる日々なんぞ誰も望んじゃいないだろうからな。
第1学年の1学期を終え、やっと学校生活に体が馴染んできたと思ったらこの暑さ。世の中って厳しい。
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