133人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
俺も読書はどちらかと言うと好きな方ではある。三四郎だとか、沈黙とか、恐らくメジャーな物は一通り目を通した事があると思う。
ただし、図書館に行くのは本目当てではない。
「「ひゃー涼しい!!」」
思わず声を上げてしまう程、キンキンに冷え込んでいた。
取り敢えず適当に本を選んで椅子に座り、本を読む……と見せかけて。
(うはっ……やべ、可愛いな……)
小声で耳打ちしてくる我が友信朗。
カウンター付近に座り、可愛らしくも凛とした上瀧さんのその姿は、見た者全てを見惚れさせる、所謂男子キラー。
俺達(主に俺)は毎日こうして、上瀧さんを見る為に図書館に通いつめている。変態? 何それ。断言する、俺は変態ではなくド変態だ。
更に信朗は質問を重ねてきた。
(お前は上瀧さんラブなんだろ?)
(あ、ああ。だからなんだよ)
(コクんないの?)
(で、出来るワケないだろ!!)
(ヘタレ!!)
(じゃあお前は出来んのか!?)
ふん、と信朗は鼻で笑った。
(お前と違って彼女持ちで~すよ!! フヒヒ)
(なっ!?)
何だって!? 信朗に……彼女が? おいおい、冗談はよせやい。いや、信朗はルックス良し・運動神経良し・頭悪しと中々優れたスペックの持ち主ではあるのだが、そんな事今まで一言も……。
最初のコメントを投稿しよう!