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俺も読書はどちらかと言うと好きな方ではある。三四郎だとか、沈黙とか、恐らくメジャーな物は一通り目を通した事があると思う。 ただし、図書館に行くのは本目当てではない。 「「ひゃー涼しい!!」」 思わず声を上げてしまう程、キンキンに冷え込んでいた。 取り敢えず適当に本を選んで椅子に座り、本を読む……と見せかけて。 (うはっ……やべ、可愛いな……) 小声で耳打ちしてくる我が友信朗。 カウンター付近に座り、可愛らしくも凛とした上瀧さんのその姿は、見た者全てを見惚れさせる、所謂男子キラー。 俺達(主に俺)は毎日こうして、上瀧さんを見る為に図書館に通いつめている。変態? 何それ。断言する、俺は変態ではなくド変態だ。 更に信朗は質問を重ねてきた。 (お前は上瀧さんラブなんだろ?) (あ、ああ。だからなんだよ) (コクんないの?) (で、出来るワケないだろ!!) (ヘタレ!!) (じゃあお前は出来んのか!?) ふん、と信朗は鼻で笑った。 (お前と違って彼女持ちで~すよ!! フヒヒ) (なっ!?) 何だって!? 信朗に……彼女が? おいおい、冗談はよせやい。いや、信朗はルックス良し・運動神経良し・頭悪しと中々優れたスペックの持ち主ではあるのだが、そんな事今まで一言も……。
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