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楠本美奈……楠本美奈……
どれだけ考えても思い出せないようだ
ずっと相手の名前を頭のなかで繰り返している
「たぶん、思い出せないと思うけど?」
心読まれた?
「桜井君顔に出過ぎだよ、恐いくらいの無表情で私の顔じっと見てたし」
言って笑っていた
それは顔に出てるのじゃなくてそういう顔だ
突っ込もうとしたが心の中で突っ込むだけにしといた
「私小学生の時から、病弱であまり学校に行けてなくて中1の時に海外に行って病気治して来たんだ、んで中3の時にこの高校の近くの中学にきて受験だから猛勉強してその結果、この高校に合格したんだ!!」
相当嬉しかったんだろう、凄い勢いで話していった
どうでもいいや
「ふーん……」
「え?うん……あ!!鍵開けるね?」
思った返事と違う返事が返ってきたからか少し落ち込んだ
「鍵当番か?」
「ん?そうだよ~?」
聞かれた本人は当たり前かのように答えた
やっと寝れる
蓮は教室に入り自分の机にたどり着くと椅子に座り机に突っ伏した
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