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両手に物を持ったまま移動する。二人はあたしが背後にいることに気付かずに、未だに言い争っている。
ガンッ!!
フライパンで春の頭をお玉で母さんの頭を殴った。
秋は見てない振りを演じ朝食を食べている。
コトハ「ご飯食べるの食べないの?」
頭を抑える二人にあたしは極めて優しい声で聞いた。
春「いってー。フライパンとお玉って差がありすぎるだろ?せめて、フライパンじゃなくてしゃもじにしてくれよ……」
コトハ「るっさい。ご飯食べないなら家の掃除をしていただけませんか?お二方」
ドスの効いた笑顔で話すコトハを怯えた目で見る二人。
二人「……慎んで朝食を頂きます」
二人の震えた声を聞いたあたしは、今度は両手に出来上がってたハムエッグを持ってくる。
その途中、秋が突進してきたが、右に半回転して避ける。
ハムエッグが皿から落ちることも、あたしの手から皿が落ちることもなかった。
コトハ「秋、危ないでしょ!家、お世辞にも広いって言えないんだから、走らないで」
守りきった朝食を二人の前に置きながら、秋を叱った。
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