第一章

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秋「ごめんお姉ちゃん。約束した時間に送れそうだから、もう行くね」 コトハ「ったく。仕方ないんだから。誰かさんみたいに、夜遊びしてこないでね」 リビングから玄関で靴を履いてる秋に言った。 秋「分かってるって。お兄ちゃんと一緒にしないでよ。じゃあ、行ってきます!!」 肩につかないくらいの黒髪を揺らしながら、元気に家を飛び出していった。 テーブルに目を移すと、春があたしを睨んでいる。 春「おい、誰が夜遊びしてるって?」 コトハ「分からないの?今あたしを睨んでいる黒髪の少年よ」 中断していたクッキー作りを再開する。 春「俺は夜遊びなんかしてねーよ。ちゃんと八時には帰ってきてんだろ」 あたしに食べ終わった皿を差し出す春。自分で洗いなさいよね。 コトハ「分かった。これからは八時に帰ってきたら、夕飯無しね」 春の後ろでちゃっかり皿を差し出している母。 なんかもう、面倒くさくなったので、二人の皿を受け取り洗った。
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