第一章

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夏江はエレベーターを探すために、ギルド内をぐるりと見渡した。 前は酒場がギルド内にあったのだが、風紀が良くないとのことで、隣に併設した。 今では、老人がソファーでゆったりと新聞を読み、酒場の代わりにカフェがある。 随分と変わったものだなと夏江は思う。以前は酒場で酔っぱらった輩がよく絡んできたものだ。 物思いにふけりつつ、発見したエレベーターの中に入る。 七階を押して、着くのを待つこと数秒、ドアの開く音がした。 夏江「ここか……」 エレベーターを出ると、すぐ目の前に総司令室とかかれたドアがあった。 ドアを叩き、返事を待つ。 マスター「どうぞ」 すぐに部屋の中から、女性の懐かしい声が聞こえてくる。 夏江「失礼します」 夏江が部屋にはいると、紙が高く積まれた机の向こうに座る女性が目を見開いた。 マスター「夏江君……」 夏江「よっ、久しぶりだな。何だよ?そんなに驚いて。受付に聞いてなかったのか?」 夏江が話すと、マスターは落ち着いて問いの返事をする。
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