第一章

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コトハ「マスター、お茶いる?」 マスター「ちょうどいいわ。客が来てるから、二つ用意して」 マスターはコトハと夏江が生徒と教師の間柄なんて勿論知らない。丁度いいとあっさり承諾してしまった。 そんなマスターとは対象に夏江は訝しげに聞く。 夏江「部下…か?」 (誰だったかな……) 知っているような声。だけど、誰か思い出せない。 マスター「うん。いい子よ。……夏江君?」 足を組み、手を顎に当ててぶつぶつ言っている彼にマスターの声は届いてない。 マスター「夏江君ってば!!」 広い部屋全体に聞こえるくらい大きな声に夏江は飛び上がる。 夏江「は、はいっ!」 背筋を延ばし、高い声を出す。その反動で、 ゴホッゴホッ むせた。のどが痛い。 マスター「大丈夫?ぶつぶつ言って挙動不審になってたわよ」 おいっ!そこかい、心配するとこ!? 心の中で突っ込む夏江。昔と変わらない、どこかズレている彼女にむせているのにも関わらず、笑いがこみ上げてくる。 マスターは不思議そうに彼と向かい合わせに座る。 夏江が笑いとむせに格闘してるなんてことは知らない。
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