第一章

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程なくして、再びノック音が部屋に響く。 マスター「どうぞ」 ドアを開けて、手にお茶と菓子を持って入ってきたコトハは客の姿を見て固まった。 (な、なななんでいるの!?) 先生!教師!夏江! 見間違えることなんてない。毎日、学校で見ていた顔なんだから。 体は硬直、頭は混乱状態。 待てあたし!落ち着けあたし! 気付かれないように、お茶置いて、さっさと戻ればいいのよ!!戻れば……。 マスター「何してるの?早くお茶をお出しして」 動かないあたしにマスターが痺れを切らす。 コトハ「……はい」 お茶を持つ手が小刻みに震えて、コップの中で波たっている。うん、どう頑張ったって震えるよ。 夏江の目の前に置くとき、気付かないようにと念じることを忘れない。 しかし、そのかい虚しく……。 夏江「ありがとうございます………………………………えぇっ!?」 夏江はお茶をもらったときコトハを見た! 夏江は驚いた! コトハの顔は引きつった! マスターは展開についていけてない! ……やっぱしバレた!! ……さぁ、どうやって夏江に説明しましょうか?親子と伝えればいいですか?
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