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カツンカツンカツン。
闇に包まれた場所に響く足音。ヒールを鳴らす音はすぐに、途絶え持ち主が歩くのをやめたことが伺える。
ヒールの持ち主を胸に横一文字の傷痕がある魔人は見上げた。
「お久しぶりに御座います。ベル様」
ベル「随分と無様にやられたものねクシュツ。こんなのが魔人の中でトップ3なんて笑わせるわ」
ベルと呼ばれた女はクシュツの傷痕をつま先でグリグリと押す。
クシュツ「グァッ…お、お許しをベル様」
ベル「許すですって?実験も失敗したくせに生意気なことを言うんじゃないわ!!」
さらに強く傷痕を押す。見かねた隣にいた魔人が助け船を出す。
「どうか、ベル様の御慈悲で許してはもらえませんか?クシュツも反省しております。次は必ずや魔族様達のご期待に応えるでしょう」
押すのをやめ、隣の魔人を睨みつける。魔人は強く睨まれたことに怯む。
「やめないかベル。魔族の唯一の生き残りである我らは常に気高く、冷静さを欠いてはならぬ」
玉座の近くで立っている男が口を開く。
魔族は魔法と共にあり、昔人間に滅ぼされた存在だ。
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