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夏江「で、これはどーゆーことか、説明してくれるか?緋本、お前が落ちこぼれなのか、そうじゃないのかもだ。包み隠さず、全部吐け」
隠し事をするなと、あらかじめくぎを打つ。
チッ、と舌打ちしコトハの顔が苦虫を噛んだような表情になったのを彼は見逃さない。
マスター「……この子は、部下であり娘よ。夏江君、このことは誰にも言っちゃダメよ」
どこか、諦めた感じで夏江の質問に答える。
夏江「娘……?おまえ結婚してたのか?――緋本、部下って事は、魔法は使えるよな?」
夏江の口から出てくる言葉には全部はてなマークがついてくる。
コトハ「マスターは結婚してないわ。先生の言うとおり、あたしは魔法が使える」
――パチン
指を鳴らすと、白い花が現れる。コトハは香りを嗅ぐように顔の前に持ってきた。
コトハ「マスターも言ってたけど、この事は絶対内緒だから」
夏江「約束するさ。結婚してないって事は、緋本は……養子なのか?」
言いにくそうに一瞬、ためらって言葉を続ける。
マスター「そうよ。でも、私は本当の娘だと思ってる。例え、血が繋がっていなくても」
母の優しい言葉。マスターだけでなく、コトハ自身本当の母親だと思って慕っている。
夏江「そうか……緋本良かったな。いい親に会えて。――それにしても、お前、よく見るとバーネントに似ているな」
夏江の最後の方の言葉にあたしの頭は真っ白になった。
なんで、いきなり……。
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