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「この世界の基本は『0』。
『1』でも『-1』でも無く、『0』。
正(プラス)が起これば、必ず同量の負(マイナス)が起こる。
『1』も『-1』も、『∞』すらも不完全。
『0』だけが完全だ」
彼女は『自分の意見』を話す時、時々、脈絡が無い。
そして、そういう時は言い終わった後に必ず説明を入れた。
「例えば、人間の高度な文明は人間に取って正(プラス)」
「うん」
「でも、その高度な文明によって起こっている様々事象……
地球温暖化や色々な薬に耐性を持つ細菌
それが負(マイナス)」
「なるほど」
僕は納得した声を上げた。
その声を聞いた彼女が付け加える。
「この世界の物事には必ず終わりがある。 言い直せば、必ず『0』が存在する」
「つまり?」
「人間は……世界はいつか必ず滅びる」
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