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俺は少し黙ってから言葉を紡ぐ。
「……拒否権は?」
「あるわけないでしょ!! ふざけないで!!」
怒鳴られた。そりゃそうだ。
「はぁ……。で?俺は何をすればいいんだ?」
俺は諦めた。
だって何を言ったって無駄だし、最悪殺されるかもしれないからな。
俺の言葉を聞いたソルが、ほっとしたように口を開いた。
「だから王様を呼んだんだよ。ここは代々龍使いを任命する場所だからね」
……。
俺は無言でフレイとライルの方を向く。
「……お前らはそんな神聖な場所で喧嘩なんてしてたのか?」
ビクゥッ!!(フレイ&ライル)
「ま、まぁ大丈夫だよ。それより早く儀式をしたいんじゃないの?」
「ん?何で?」
「だって帰りたくないの?」
「…帰れるのか?」
マンガのこんな展開だと、世界を救うまで帰れないのが、一般だと思うのだが。
するとソルは、さも不思議そうに、
「? 人間界も守らなきゃいけないのに、行き来が出来なかったら意味ないでしょ?」
「あ、そっか」
納得だ。
「じゃあ、儀式を始めよう。王よ、お願いします」
「うむ」
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