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「あんたが……助けてくれたのか……?」
「私以外誰が居るって言うの?」
ですよねー。
俺が恐る恐る訪ねると少女は少しムッ、となったように言った。
「それよりアンタ、何で私が見えるの?」
「は?」
「今の私は〈隠(ステルス)〉を使っているから、人には見えない筈なんだけど」
黒い少女はそんな事を呟いた。
何故って言われても、居るものは見えるしなぁ。
て言うかステルスって何?
「もしかして……」
「ん?……おい、何すんだ?」
少女は突然俺の額に指を当ててきた。そして、
コォォォォ……
指が光だした。
俺が眩い銀の光に目を閉じると、光が一瞬だけ強く瞬いた。
それを見た少女は顔をしかめた。
「まさか……アンタがそうだったとはね……はぁ」
あ、何か失望したと言うか残念そうなため息だな。
俺がそんな事を思っていると、突然腕を捕まれた。
「おい、ちょ……」
「話しは後ッ!来なさい!!」
有無を言わせぬ口調で怒鳴ると、少女は俺の手を掴んだまま走り出した。
は、速い。飛ぶように走っている。というか、
「イダダダダッ!?か、肩外れるっ!!」
「五月蝿い!!黙ってなさい!!」
「いや、せめてもっとゆっくり──あがぁっ!?誰が速く走れと!?」
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