第一章 異界

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「では、私も。名をセン・フィライム=シルシアと申します。速度と重力を司る晶星竜です、以後お見知り置きを」 そう言って軽く頭を下げるセン。 「……クライア・ウォルダム=アイザース……水氷と…浄化を司る…蒼水竜……」 と、クライアが自己紹介というより、独り言のように呟いた。 ソル、ライル、フレイ、ウィン、セン、クライア、か。 ……あれ? そこで俺以外の奴も気付いたらしく、ある一点を見つめる。 ルナだ。 「……」 「ルナ?自己紹介してよ」 ソルがそう言うと、ルナは視線を俺に向けた。 「……ルナ・カリアス=ヴィナリア。影と空間を司る黒影竜よ」 こうして、全員の自己紹介が終わったところで、俺以外の視線が俺に集まった。 ……俺にもしろ、って事か。 俺は観念した。 「俺は藍藤竜哉、人間だ。よろしく」 俺が言うとソルの顔がパッと明るくなり、俺に近付いてきた。 「よろしくね!あ、あとは、王様がお会いになるからここで待っていてね。僕が呼んでくるから」 「? 男に呼びに行かせれば良いだろ? 女の子は楽していいんだぜ?」 これが俺のジェントル精神。女の子に無理はさせない。 と、ソルが怪訝そうにしている。 竜にはそう言った精神はないのだろうか? 俺が不思議に思っていると、ソルが、 「……僕は男の子だよ?」 本日最大の驚愕が俺を襲った。
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