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ソルが王様とやらを呼びに行ってから、どれくらいたっただろう?
一時間のようにも、5分のようにも感じた。
俺達はする事も無く、皆黙ってソルを待っていた。(ウィンは寝ていた。寝顔が可愛い)
と、俺がウィンの寝顔に見入っていると、
バンッ!
またドアを蹴破ってソルが入ってきた。
……見た目美少女なんだから、それはやめようぜ?
「おまたせ~。さ、王よ、こちらです」
「うむ」
今思ったんだが、王様が自ら足を運ぶっておかしくね?
普通俺達が行くべきだろ?
俺がそんな事を考えていると、王様らしき人物……いや、竜が入ってきた。
第一印象は(失礼だが)年寄りだ。
白髪を肩口まで伸ばし、豊かな白髭は腹まである。
王族に相応しい豪奢だが、ごてごてしているのではなく美しい華美な衣装に身を包んでいた。
青い目は海の様で、吸い込まれそうと言うか、心を覗き込まれそうだった。
「ワシはアイン・セルレス=ローザードじゃ。この龍煌皇国の王をしている。宜しく頼むぞ、少年」
低く、優しい声でアインは言った。
「さて、お主もいきなりここへ連れて来られて戸惑っておるじゃろう。まずはこの世界の事を説明するかの」
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