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すると、
ぐにゃ
「ッ!?」
俺は驚いて目を開く。
光が、曲がった。
白光が細長い棒のように伸びていく。
それは先程のルナの鎌の現象と酷似していた。
光は伸び続ける。
そして皆が見守る中で光はとうとう、俺の身長くらいに達した、と、
パアァァァァァァ
光が更に強くなった。
「ッ、今だ! 光を握って振るんだ!!」
「!!」
俺は訳も解らず光を握る。
光は中に何かを孕んでいて、其は手触りがよく、手に馴染んだ。
俺はソレを右手で思いっきり振る!
ズバァァァァァ!!
白光を消し飛ばして、ソレは顕現した。
「「「……ッッ!!」」」
「こ、れは……」
俺は自分が握っている物をまじまじと見た。
ソレは日本刀だった。 一般に刀と呼ばれる『打刀』の長さより遥かに長い、五尺(約150cm)の長さの刃を持つ、大太刀だった。
だが、この刀の最も特異なところは、刃の材質だ。
普通、刀は玉鋼と呼ばれる砂鉄をたたらを使って作る金属を使い、作る。
故に刃は銀色、刃紋がある刃になる。
だが、この刀は刃が銀色ではなく、元の石と同じ透明な刃だった。 刃紋はうっすらと見える涛欄(とうらん)と呼ばれる波形、反った長大な刃。柄は黒を基調としたつくりで飾り紐が付いていた。
「……綺麗だ……」
俺は本心から言った。
と言うか、それしか思い浮かばなかった。
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