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俺は高校から家に帰る途中だった。 特にやることがなく、何をしようかと考えていた。
頭上では鴉が騒ぎ、耳障りな鳴き声をあげている。
「……ん?」
ふと、何かが視界の端を横切った気がして立ち止まった。
いや、何かがいるはずがない。
此処はゴミ捨て場で、俺の家と学校を結ぶ道の中程にある、いつも誰も居ない閑散とした場所だ。
「……?」
辺りを見回すが、誰も居ない。
立ち止まっているのも馬鹿らしくなり、さっさと帰ろうと前を向いた、その時。
「おわッ!?」
「……」
誰かが立っていた。……なんだ、コイツ?
見た目は170ある俺より少し小さいくらい、それくらいしか解らない。
何故ならソイツは、全身をすっぽり覆う、黒いマントに身を包んで居たからだ。
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