思い出の彼方

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「秘密にしてたわけでも隠してたわけでもないんだけど、こんなに喋ったの初めてだよ」 「へ?そうなの?」 「うん」 佐和子ちゃんは鉄棒から離れると2,3歩前に進んでくるっと回る 「私もね、みんなの中から自分か消えるのが嫌だったの 離れ離れになっちゃうともう一緒に思いでは作れないでしょ? 離れた私は思い出の中の風景としか残らないし」 初めて知った佐和子ちゃんの気持ち 「だからあなたが外国行っちゃったとき“あぁ。私も風景の一つになったんだな”って思って寂しくなったの だけど今日“また会いたい”って言葉……すごく嬉しかった」
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