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「それじゃ、またね」 佐和子ちゃんは公園を出て行く 平日の昼間、白い雪の世界に色とりどりの傘 そのなかに佐和子ちゃんも溶け込んでいく 私は遠ざかり小さくなる背中を見送る 佐和子ちゃんは完全に人ごみの中に溶けてしまった 私達は雪のようだ 思い出はもろくて儚い 直ぐに融けてしまう雪のよう
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