三語り

2/3
37人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
いつからだっただろうか…。 私は昔から、夢で未来を予知する事が出来た。 その当時は些細な出来事しか予知する事しか出来なかった。 例えば、明日の天気だったり、会話に出て来るクイズの答えだったり。 たったそれだけの事だった。だから別に不便でもなかったし、寧ろラッキーだった。 だが、ある日を境にこの予知夢は悪夢を招き入れた。 そう。私は死を予知したのだ。 それは小学校3、4年の時。クラスに桂木 美弥子という女の子がいた。 優しく、笑顔の似合う女の子。私の憧れでもあった子だった。 その桂木 美弥子の夢を見た。厳密に言えば桂木 美弥子の視点の予知夢を見たのだ。 その夢はいつもの夢ではなく、恐ろしくも悲しい夢だった。 というのも、桂木 美弥子と、その両親が乗っていた車が大型トラックに衝突するという内容だ。 桂木 美弥子は覚えているのだろうか。 衝突と共に吹っ飛んだ両親を。そして無惨な姿になっていく両親を見ていた事を。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!