考え過ぎる男≪続≫

梶原恭平

すると、１番前の席に座っていた男が立ち上がり俺達の方を向いて自己紹介を始めた。

「川下中出身、江口清志郎です。一年間よろしくお願いします。」

江口君は、言い終わるとホッと一息ついて着席した。

……逃げたな。
１番無難な回答を答えるなんぞ負け犬のする事だ。あいつの事は今度から負け犬と呼ぼう。

「はい、よくできました～。でわ、二番ちゃんお願いね。」

そうママが言うと、呼ばれた男は席を静かに立ち大きな声で元気よく自己紹介をした。

「川下中出身、大塚 成約です！！好きな食べ物は女の子です！！」

地雷踏んだーーー！！！
こいつ、思い切り地雷を踏みやがった！！！！

これからの人生の事を考えると気の毒だが………こいつの事は今度から勇者と呼ぼう。

……と考えていると女の子達が騒ぎ始め、その中の一人が満面の笑みで

「もう、大塚くんエローい！！」

……と言った。

そして、それに続くように女子が続々と

「んじゃ、私の事好きー？」

とか

「大塚くん、おもしろーい！！私と付き合わない？」

などと信じられない事を言った。