半強制プロポーズ

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「けっ、こん……?」 唖然としながら一応確認するあたしに、武蔵は「あぁ」と頷き煙草の煙をふぅっと吐き出す。 「それって……武蔵と?」 「それ以外に誰とすんだよ」 「“俺と結婚して下さい”的な?」 「“結婚して下さい”じゃなくて“結婚しろ”だ」 「冗談抜きで?」 「俺は冗談は嫌いだ」 「……」 それは知ってるけど。 武蔵に冗談は欠片も通じないって分かってるけど。 けど……そんくらいびっくりした。 本気の本気で驚いた。 武蔵に、プ、プロポーズされるなんて! ……嬉しい。 嬉しいよ、武蔵。 けど……。 「……何で命令形?」 「あぁ?」 「だ、か、ら!何で命令なの!?普通はさ!」 「悪いが俺は“普通”じゃねぇ。お前がそれよく知ってんだろ」 「知ってるよ?だけどせめて“俺と結婚してくれ”でしょ!」 「知らねぇな」 「武蔵が知らなくても一般常識ではそうなの!」 「……はっ」 何故笑う! 冗談とかお笑いとか一切通用しないのに何でこういう意味不明なとこで!? あなたの笑いのツボが分かりません!
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