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ナイトside
バンッと勢い良く玄関のドアが開かれた。オレは読んでいた雑誌を閉じると玄関に目を移した。そこにはびしょ濡れの兄の姿。
「チッ!急に降ってきやがった。」
悪態を吐きながらロストは雨で濡れたロングコートを脱ぎ去った。
「だから傘持ってけって言ったんだ。」
オレは苦笑しながら近くにあったタオルを手に取とると、ロストの頭に被せワシャワシャと髪を拭き出した。
兄の髪からは雨の匂いがした。
「…こんなに早く降るとは思わなかったんだ。」
ロストは大人しく髪を拭かれながら少しムスッとした表情で言った。
何つー可愛い顔すんだよ…。
我が兄ながら、何て事を考えながら徐々に水分を取ってゆく。
「…ックシュン!」
突然ロストがくしゃみをした。
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