Signs Of Rain

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良く見るとロストの身体は小刻みに震えていた。   「あ、わりぃ!すぐ風呂の用意すっから。」   そう言うと否やオレはすぐさま風呂場に向い浴槽に湯を張り始めた。リビングへ戻るとロストは既に着替えていた。しかし着替えても冷えた身体は早々に温まらない。未だ身体を震わせる兄を見てオレはソファに座りロストを手招きしながら呼んだ。   「何だ?…――うわッ!」   疑問に思いつつも近付いて来るロストの腕を引っ張り、オレの膝の上に無理矢理座らせると冷えきった身体を抱き締めた。多少暴れたが暫くするとロストは大人しくオレの腕に納まった。   「これで少しはマシになっただろ?」   ロストは無言でコクリと頷いた。普段なら「暑苦しい」と言って離れようとするが今回は別な様だ。   …そーいえば兄貴は寒がりだったな。   そんな事をぼんやり考えていると、不意にロストが動き出した。  
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