反転まで…Ⅰ【月峰学園】

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反転まで…Ⅰ【月峰学園】

「あなた誰?」 目の前にいる女の子に問いかける。 此処は私が所属している美術部の部室だ。 昼休みになり少しでも絵を描こうと来てみれば見慣れない女の子がいた。 美術部では見たことがないし誰かな?と思いながら話しかけるが女の子は目を合わせど口は開かずにいる。 ……気まずい。 「…えっと、美術部に用かな?」 再び話しかけるも無反応である。 どうしようか内心ドキドキだが、表には出さずに女の子を見つめる。 「… 。」 唐突に口を開く女の子。 何か言っているようだが聞き取れない。 もう一度言ってもらおうと聞き返そうとするが… 「!(口が開かない!!)」 目を見開き手を口に運ぶが触った感じは普通だし、唇にも感触がしっかりとある。 戸惑っていると女の子がまた口を開く。 女の子が言った言葉を聞いた瞬間、体の自由が利かなくなりその場に立ち尽くす。 相変わらず女の子は同じ場所に立ってこちらを見ているだけだ。 「(どういうこと…。)」
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