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扉の向こう側からバタバタと此方に駆け寄ってくる音が聞こえる。
その音が聞こえてきても思考を移すことが出来ない。
ガチャン
扉が開き1人の少年が少女を目に移すと息を吐き出す。
「此処にいたんだ」
「……」
「ねぇ、聞いてる?」
「……」
こちらに反応を示さない少女の肩を少年が掴み少女を見る。
「っ!!薺!!」
肩を掴み少女と目を合わせるも少女の目には光が無く虚ろにどこかを見ていた。
少年が肩を揺さぶり名前を幾度となく呼び続けるも全く反応を見せずにいたが唐突に目を閉じると膝から倒れる。
「っと危ないっ!!」
倒れる少女を慌てて抱き留めると少年は少年を横抱きにし、保健室へと連れて行く為に歩き出す。
少年はどうして気付かなかったのか。
少女が見ていた先にいた存在に…。
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