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《序章》少女の夢
私は夢を見ていた。
長い夢を…。
とてつもなく長い《夢》を…。
これが悪夢なら、どれ程良かった事か…。
夢を見始めると、人間は大抵微睡みの果てに目を覚まし、夢は消えていく。
ただ、私の夢は…夢であり夢ではない。
…分かりやすく言えば、なんだろう。
【虚無】と言えば良いのかしら…?
何も無く、何も感じない…そして色も無い乳白色に似た世界。
悪夢でもなければ、正夢でもなく、覚醒夢でもない。
…こんな何も無い世界が本当に存在するのなら……。
なんて退屈な、哀しい世界なのだろう…。
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