10人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ふぁあ」
眠いのは当然、起きたくない理由は二つある。
一つは空腹だから。
…何よ悪い!?賽銭箱に銭一つ無いんだから!ここ一週間参拝者も来ないし…!
寝ていれば空腹もまぎらわせるけど、そうも言っていられないしね…。
それでもう一つの理由というのが……
「れぇいむ~!」
…来たか。
「…朝っぱらからうるさいわねぇ…もぉ……」
伊吹萃香。訳あって私が《一時的》に引き取っている鬼と言われている妖怪の一種だ。
そして理由の原因がこの萃香なのは、もう言うまでもない…というより頭痛いから言わせないでよ馬鹿……。
「れいむ?」
「あぁ、大丈夫よ?だからそんなに心配そうな顔をしないで?」
何故にこんな気を使わなければいけないんだろう…。
「…なんか、すごく具合悪そうな顔してたぞ?れいむ」
ギクッ…。
「そ、そんなに悪そうな感じだったの…?」
「うん……」
はぁ…。私の事を気にかけてくれるのもこの子くらいだものね。今日の《里降り》くらいはちゃんと面倒見なきゃ。
「大丈夫よ。今日は約束の日でしょ?忘れるわけないじゃないの」
「わぁ…!ありがとうれいむぅ~!」
だからって、そんな突進しなくても良いじゃないの…!
「ごふっ……!」
萃香の顔面が私の溝に当たり暫く悶絶…。
最初のコメントを投稿しよう!