《一章》巫女と男子と…時々ごはん?

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「…ふぁあ」 眠いのは当然、起きたくない理由は二つある。 一つは空腹だから。 …何よ悪い!?賽銭箱に銭一つ無いんだから!ここ一週間参拝者も来ないし…! 寝ていれば空腹もまぎらわせるけど、そうも言っていられないしね…。 それでもう一つの理由というのが…… 「れぇいむ~!」 …来たか。 「…朝っぱらからうるさいわねぇ…もぉ……」 伊吹萃香。訳あって私が《一時的》に引き取っている鬼と言われている妖怪の一種だ。 そして理由の原因がこの萃香なのは、もう言うまでもない…というより頭痛いから言わせないでよ馬鹿……。 「れいむ?」 「あぁ、大丈夫よ?だからそんなに心配そうな顔をしないで?」 何故にこんな気を使わなければいけないんだろう…。 「…なんか、すごく具合悪そうな顔してたぞ?れいむ」 ギクッ…。 「そ、そんなに悪そうな感じだったの…?」 「うん……」 はぁ…。私の事を気にかけてくれるのもこの子くらいだものね。今日の《里降り》くらいはちゃんと面倒見なきゃ。 「大丈夫よ。今日は約束の日でしょ?忘れるわけないじゃないの」 「わぁ…!ありがとうれいむぅ~!」 だからって、そんな突進しなくても良いじゃないの…! 「ごふっ……!」 萃香の顔面が私の溝に当たり暫く悶絶…。
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