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悶絶して軽く一時間…。
「ほぉら、早く行くわよ~?」
「ま、待ってぇ~!」
転んだ。盛大に転んだ。オマケに襖一枚を思いっきりぶち破って…。
「いたた……」
「あ~もぉ~…何やってんのよアンタは…」
萃香は慌てるとたまにこのような大惨事を引き起こすことがある。最初は本当に怒りかけたが、今ではもう慣れたもの…。
「…障子ならまだしも、なんで襖というものをぶち破るのよアンタは……」
…こんなことで時間をかけたくもないので、壊された襖を放置して出掛けることにする。
ちなみに、ちゃんと神社の掃除はしたわよ?日課なんだから。
「なぁれいむ~」
「何?」
「アレは何なんだ?」
萃香はたまに珍しい(萃香が始めてみるもの)ものを見るとこんなことを言うときがある。
大概は説明できるが、分からなかったり面倒な時は…。
「たまには自分で調べてみるのも面白いかもしれないわよ?」
と、このように誤魔化す。
「…う~、最近れいむはそればっかりだ…ていうか、見てもいないのにそれは駄目だぞ!」
…ちっ。なんでこんなときばっかり……。
「…で、アレって何よ?」
「ん」
萃香が指差したその先には…。
「…なに、あれ……」
明らかに異色を放つ物体が此方を見据えている。
私はそれを見て…無視できるなら無視したかったが、こんなときに限って萃香はそれに近づこうとしてるし…!
「ちょっと萃香!?」
「れいむ~!なんか…コレ《きょうかい》ってやつじゃないのか~?」
「違うわよ!そんな術式が使うわけ…って、術式……!?」
まずい。なんで早く気付かなかったんだろう。これは…!
「萃香離れて!!」
「れいむ!?」
こんな得体の知れない《モノ》に萃香を近づかせてはいけない。そう思って萃香を力づくで投げ飛ばしたら…。
「…え?」
この後の事は、記憶に残らなかった……。
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