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そしてラブホであたしはどうしていいのかわからなくなった。
あなたが突然
「抱いて」
なんて言うから。
抱かれることはあっても抱いたことなんてなかったし、自分が抱くがわになるなんて考えたこともなかった。
そしてあたしはあなたのお願いを断った。
あたはただ純粋に愛して欲しかっただけだということがあたしにはわからなかった。
あたしはいつも通り抱かれた。
***
あなたは服屋の店員さんとすぐに仲良くなるタイプだった。
でもあたしは苦手。
買い物に行くと、あなたと店員さん2人が楽しそうに話しててあたしはいつも独りぼっち。
あたしの行ったことのないライブの話やギターの専門的な話。
あたしには話についていくことさえできなかった。
2人で歩いてるときはあたしだけを見てくれるからすごく幸せだったけど、お店に一歩でも入るとあたしの心は疎外感で覆われた。
そして幾度となく壊れた。
壊れる度あなたはあたしに何度も謝った。
それが辛くて余計に壊れた。
あなたに自分を責めさせている自分が嫌だった。
公園のベンチで無言で泣くあたし。
そんなあたしを抱き締めながら何度も謝るあなた。
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