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「あやか」
待ち合わせ場所のコンビニでコーヒーを買っていたあたしを急に誰かが呼んだ。
あなただった。
まだ来ないと思ってたからあたしは焦ってしまって、レジのおばさんに「おつり忘れてるよ」って言われるまでおつりの存在すら忘れていた。
というか言われてもなお、何のことかわかってなかった。
あたしはあなたに見とれてた。
写メで見たあなたは可愛かったけど、実際のあなたはかっこよかった。
そして2人であたしの間抜けな行動に大爆笑。
緊張もいつの間にかなくなっていた。
***
母親から「早く帰ってきなさい」という怒りのメールがくるまで、あたしたちは時間を忘れて話をした。
そして家の前についたとき、帰るのを嫌がったあたしをあなたは優しく抱きしめてくれた。
母親からの再三のメールや電話を無視して、駐車場で抱きしめ合った。
「いいかな?」
あなたはあたしを見てそう言った。
「いいよ」
照れながらもあたしは目を閉じた。
そして初めてのキスをした。
今度こそ幸せになれるかもしれない…何故だかキスをしながらあたしはそんなことを感じていた。
***
忘れもしない…3月24日、午前2時。
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