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タイヤとアスファルトが擦れ甲高い音を立てる。
タケユキは思わず目をつぶった。
一瞬の時間が過ぎた。
ゆっくり目を開く。
タイヤとアスファルトが焦げた臭いがする。
車は停止線をはみ出しやっと止まる事が出来た。
目の前には、黄色い肩掛け鞄を下げた幼稚園からの帰りらしい小さな子供がいた。
かなりびっくりした顔でタケユキを見上げている。
タケユキは右手を挙げてゴメンねと言う仕草をした。
「ふー…。危ない危ない。」
目の前の子供は、ニコリと笑って横断歩道を渡り終えた。
まだドキドキしている。
気がつくと後ろの方から何やら声が聞こえる。
タケユキは窓を開けた。
「何やってんだコラー!」
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