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どうやら急ブレーキを踏んだので後続車がぶつかりそうになったらしい。
タケユキはまどを全開にして体を乗り出した。
「スイマセン」
タケユキはまた右手でゴメンと言う仕草をした。
「気を付けろバカヤロー!」
後続車の運転手は、始め身体を乗り出した状態だったが文句を言うと引っ込んでしまった。
「いやホントに危なかった。」
タケユキはドサッと座席に腰を落として安堵の溜め息をついた。
「幼稚園かぁ。懐かしいなぁ、オレにもあんな頃があったよなぁ。」
―――――――――――
当時父は小さな会社を経営していた。
タケユキは小さかったのであまり覚えていないが、後で聞いた話、父は典型的なマイホームパパで家もそれなりの家に住んでいた。
が、
それがある日を境に急変したのである。
タケユキは当時さい5歳。
私立の幼稚園に通う元気な男の子だった。
その日は幼稚園を休む事になった。
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