あかいもの

タケユキ

あの辛さを考えると本当に嬉しかった。

嬉しすぎて、運転する訳でもなく何をする訳でもないのに、車の中で機器を色々眺めたりもした。

おまけに名前まで付けて愛情を注いだ。

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その日タケユキにとっては三回目の運転となった。

久し振りの一家団欒である。

朝の早くから母は、そわそわしていて落ち着きがなく、６時くらいからタケユキは叩き起こされた。

昨日「明日の休みは何年か振りに外食をしよう。」

と言う話になり家族で盛り上がったからだ。

タケユキを叩き起こした後、

「そのついでに買い物に行って休みを満喫するんだ！」

と、母はもう準備が整っていた。

それから母は父を叩き起こしに言ったらしい。

「タケユキも早く起きなさいよ。」

と言う捨て台詞を残し、立ち去って行った後隣の部屋から父の叫び声が聞こえて来たからだ。

母は一連の作業を終えると、バックを片手に玄関先で座り込んでニコニコしている。