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相変わらず家に引き籠り、海に関係した本ばかり読んでいた僕は、その中の1ページに載っていた写真に目が止まった。
外国人が変わった形をした板キレにを使い、大人の背丈よりもずっと大きな波に乗っている…
それはサーフィンと言うスポーツだった。いくつか載っていた写真の全てが僕の心を虜にした。
体を思い切りひねり、凄い水飛沫を立ててる人、とても大きな波に、くねくねとした線を残している人、波から飛び出し、空高く飛んでる人…
今までも色んな海の本で、スキューバダイビングやスキンダイビング等を見たことがあるが、こんなにショックを受けたのは初めてのことだった。
僕は、そのことを夕御飯の時に父さんや母さんに話した。父さんは、暫く僕の話しを聞いていた後に、
「裕也は本当に海が好きだなぁ」
と僕の頭を優しく撫でてくれた。
その日から随分と時間が経ち、木々の葉っぱも落ちて冬が来た。
学校は冬休みに入ったある日のことだった。僕は父さんにこの街から、遠くにある町に引っ越しをしなければならないことを聞いた。
その町の名前は『太波』と言う聞いたこともない町。分かったのは、海がとても綺麗で、こっちよりずっと暖かいらしい。
本物の海水浴場もあるのかな?
僕は期待と不安を胸に引っ越しの日を待ちわびた。
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