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恭介は目を覚ました。そして安心していた。 自分の家にいたからだ。
(全部…夢だったのか?)
恭介はそう考えたが、それが一瞬にして違う事に気づく。まず腕に腕輪がついているという事、もう一つ妙に体が軽いからだ。
(…そうか…あれは夢じゃなかったのか……)
恭介は喜びと不安の葛藤があった。
まず自分の中にあった、自分の人生が平凡なものでは無くなったと思ったからだ。これは逆に不安そのものでもある。つまり今日から期限はわからないが命を狙われるということ。
(まぁこんな事考えても仕方ないしな。 とりあえず…)
「イヤッホォォォォォウ」
彼は無意識に…いや意識して大声で叫んだ。 まるで恐怖などないかのように。
「ちょっとうるさいんだけど…」
誰かに見られていたらしい。 だが直ぐに異変に気づく。
何故一人暮らしの恭介の家から声が聞こえるのか。
決まっている。
恭介意外の誰かがいるからだ。
恭介は警戒した。昨日の今日である。敵が自分の家に攻めて来ても何も不思議ではない。
むしろ何も警戒していなかった自分を責めた。
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