二章 急接近

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二人は、弁当を食べ終わり水筒の緑茶を口にしながら話した。 「本当に綺麗な桜ですねぇ。これが夜になってライトアップされると、どんな世界なんだろう。見てみたいな。」 好美は、勇二を見つめ言った。好美の少女のような目の輝きを見て本気だなと悟った。 「近藤さんが良かったら夜まで待ちましょうか?もう桜散り始めるだろうし、綺麗に見れる機会は今日しかないです。」 好美はニッコリと微笑んでうなづいた。勇二は、好美と長い時間を過ごせることが嬉しかった。勇二は横になり桜を見ていたが、睡魔に襲われて寝てしまった。「勝山さん、勝山さん起きてください!」 勇二が目を開けると目の前に好美の顔があり、後頭部に心地良い感触を感じた。完全に意識を取り戻すと、膝枕をされていることに、ようやく気付き慌てて起き上がり、 「す、すいません。こんなことさせちゃって・・・」 必死に謝る勇二の姿を見て笑いをこらえながら好美は、 「クスクス・・・気にしないでください。あまりに勝山さんの寝顔が可愛かったから勝手にやったことですから・・・」
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