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勇二は、周りを見渡すと既に日は落ちていた。
「本当に言葉にできない程綺麗ですよね~。今日で最後なんて桜も可愛そう。そうだ、勝山さん!写メ撮りましょうよ?二人で!記念に。ねっ?」
突然に携帯を手に寄り添ってくる好美。勇二は顔を赤面させていた。好美は携帯を二人の前に差出しベストな位置に合わせ、
「勝山さん、撮るよ~!ニコッて笑って!」
「カシャッ」
携帯音と共に画面に映し出した二人の姿を見て好美が笑いながら言う。
「アハハッ。勝山さん、目が笑ってないよ~??勝山さんの携帯に送るね。」写真が苦手な勇二は少し落ち込んだ・・・しばらくして、勇二の携帯からメールの着信音がした。携帯を開けると、さっき見た写真が届いていた。しばらく見て幸せを感じていると、好美が言った。
「やっぱ夜はカップルばかりだねっ。こんなロマンチックな場所だから・・・私も恋人欲しいな・・・勝山さんは好きな人とかいないの?」
心の中で目の前にいるよって言いたいと思いつつも、「いるけど、シャイな性格だから気持ちを伝えられずにいるんだ。今まででも結局、一方通行だし」
勇二は気持ちを隠して言った。変われない自分が情けなかった。すると勇二は予想外の好美の言葉に耳を疑った。
「私じゃダメかな?私そういう所好きだよ勇二さんの。尽くしてくれる所とか。今日のデートで確信したから。私は勇二さんに惚れてるなって。ねぇダメかな?」
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