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花見の当日を迎えた。勇二達は、いつもより早起きをして準備をした。そしてバスに乗り込んだ。勇二が座ると好美が、
「勇二さん、隣いいかしら?」
「あっ好美さん。どうぞ。」
勇二と好美は隣通しに座った。勇二達を乗せたバスは、目的地へと向かった。勇二は、バスの揺れが心地よく眠っていた。
「・・さん・・勇二さん起きて!」
好美の声で目を覚まし窓の外を見ると、勇二は飛び込んできた光景に涙を浮かべた。その姿を見て好美が、「どうしたの?調子悪いの?」
心配そうに見つめる好美を見て、
「いや、違うんだ。ここは昔に友人だった人と来て恋人同士になった所なんだ。」勇二は、鮮明に覚えていた。61年前に二人に愛が芽生えた場所だった。そして、皆が桜の下にシートを敷き昼食を取り、談笑した。勇二は、好美の姿を61年前に重ね合わせて思い出していた。そして夜になり、桜がライトアップされた。
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