奇跡・・・そして永遠に

3/5
前へ
/33ページ
次へ
花見の当日を迎えた。勇二達は、いつもより早起きをして準備をした。そしてバスに乗り込んだ。勇二が座ると好美が、 「勇二さん、隣いいかしら?」 「あっ好美さん。どうぞ。」 勇二と好美は隣通しに座った。勇二達を乗せたバスは、目的地へと向かった。勇二は、バスの揺れが心地よく眠っていた。 「・・さん・・勇二さん起きて!」 好美の声で目を覚まし窓の外を見ると、勇二は飛び込んできた光景に涙を浮かべた。その姿を見て好美が、「どうしたの?調子悪いの?」 心配そうに見つめる好美を見て、 「いや、違うんだ。ここは昔に友人だった人と来て恋人同士になった所なんだ。」勇二は、鮮明に覚えていた。61年前に二人に愛が芽生えた場所だった。そして、皆が桜の下にシートを敷き昼食を取り、談笑した。勇二は、好美の姿を61年前に重ね合わせて思い出していた。そして夜になり、桜がライトアップされた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加