出会い

4/6
前へ
/33ページ
次へ
 運命の歓迎会。勇二達は居酒屋に入った。ここの居酒屋は今風の洒落た店で、全てが個室になっている。 「ようし、席表の通り座れよ?今日は、勝山と近藤の歓迎会を行なう。うちの支店はアットファミリーな会社を目指している。この場では無礼講だ。普段言えないことでも酔った勢いで吐き出しちまえ!喧嘩するなよ?ハハハッ」 酒好きの南部は既にコンビニでビールを飲んで少しハイテンション気味に喋っている。勇二の先輩で佐山と言う男が勇二に言った。 「勝山、お前さ覚悟しとけよ?南部さんの酒癖は半端ねえからよぅ・・見てれば分かる。」 勇二は、南部の姿を見ながら不安を抱いていた。そんな勇二の顔を見た好美は、「勝山さん、大丈夫ですか?無理しないでくださいね」 慌てた勇二は、 「へ、平気ですよ・・男っすから。」 意味の分からない返答で答えた。そして・・・ 「かんぱ~~い!!」 グラスの乾いた音が部屋中に鳴り響いた。 「・・さ・・かつ・・ん・・勝山さん起きて!!」 好美の声で起きた勇二は、知らない間に眠って記憶が飛んでいた。頭痛もひどい。周りを見渡すと他の同僚達の姿が見当たらない。 「あれ、近藤さん・・・だけ?俺何時の間に寝てた?」 混乱した勇二は好美に聞いた。 「勝山さん、南部さんと一気飲み対決したの覚えてないんですかぁ?すぐに勝山さんベロンベロンになって寝ちゃったんですよ~?南部さんには、新人のことは新人に任せた、頼んだぞって言われるし・・・」 困り果てた好美の顔を見た勇二は、嫌われたと確信した。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加