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運命の歓迎会。勇二達は居酒屋に入った。ここの居酒屋は今風の洒落た店で、全てが個室になっている。
「ようし、席表の通り座れよ?今日は、勝山と近藤の歓迎会を行なう。うちの支店はアットファミリーな会社を目指している。この場では無礼講だ。普段言えないことでも酔った勢いで吐き出しちまえ!喧嘩するなよ?ハハハッ」
酒好きの南部は既にコンビニでビールを飲んで少しハイテンション気味に喋っている。勇二の先輩で佐山と言う男が勇二に言った。
「勝山、お前さ覚悟しとけよ?南部さんの酒癖は半端ねえからよぅ・・見てれば分かる。」
勇二は、南部の姿を見ながら不安を抱いていた。そんな勇二の顔を見た好美は、「勝山さん、大丈夫ですか?無理しないでくださいね」
慌てた勇二は、
「へ、平気ですよ・・男っすから。」
意味の分からない返答で答えた。そして・・・
「かんぱ~~い!!」
グラスの乾いた音が部屋中に鳴り響いた。
「・・さ・・かつ・・ん・・勝山さん起きて!!」
好美の声で起きた勇二は、知らない間に眠って記憶が飛んでいた。頭痛もひどい。周りを見渡すと他の同僚達の姿が見当たらない。
「あれ、近藤さん・・・だけ?俺何時の間に寝てた?」
混乱した勇二は好美に聞いた。
「勝山さん、南部さんと一気飲み対決したの覚えてないんですかぁ?すぐに勝山さんベロンベロンになって寝ちゃったんですよ~?南部さんには、新人のことは新人に任せた、頼んだぞって言われるし・・・」
困り果てた好美の顔を見た勇二は、嫌われたと確信した。
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